崔承喜がプエルトリコ公演を断行する以前の6ヵ月は、国際情勢や個人状況が全て激動だった。 欧州は戦争を始め、崔承喜は巡回公演を中断し、米国に避難しなければならなかった。
崔承喜が欧州巡回公演を中断したのは、1939年9月1日、ヒトラーのドイツがポーランドに侵攻して始まった欧州大戦のためだった。 2日後の9月3日、英国とフランスが対ドイツ宣戦布告を発表し、戦争に飛び込んだ。 イタリアはすぐには参戦しなかったが、まもなく参戦するという噂が広まった。(イタリアは1940年6月10日に参戦した。) ヨーロッパ中があっという間に修羅場になった。
6月15日、パリのシャイオ劇場公演後、休息をとりながら新作創作と練習に専念し、欧州芸術界の秋シーズンを待っていた崔承喜は、すべての欧州公演計画を全面的に取り消さなければならなかった。 そしてパリ所在の日本大使館の勧告により、戦争を避けてフランスを去らなければならなかった。
パリを出発してボルドーとマルセイユに移動しながらイタリア公演を模索していた崔承喜は、結局イタリアも参戦するという噂を聞いて帰国隊列に参加した。 崔承喜は1939年9月18日、マルセイユで第3避難船箱根丸に乗船し、約1ヵ月間の航海の末、スペインのジブラルタルとイギリスのマンチェスターを経由し、大西洋を渡って1939年10月21日ニューヨークに到着した。
箱根丸の航海は、大西洋の悪い天気に潜水艦攻撃の危険にまでさらされていた、大変危険な航海だったという。 箱根丸は1939年10月21日午前9時ニューヨーク港入口に到達し、11時にはブルクリン第11番ピアに停泊、船客を降ろした。
急迫して避難船に乗船した崔承喜一行には米国入国ビザがなかった。 臨時滞在が許可された5日間、米国に滞在できるビザを用意しなければならなかったが、避難民が押し寄せる混乱の中で正常なビザ発給業務は不可能だっただろう。
5日間の臨時滞在が終わった後、崔承喜一行はニューヨークを去らなければならなかった。 彼らはパナマに向かった。 パナマ海峡を通って太平洋を横切って日本に帰ろうとしたのだ。 この時、崔承喜一行が乗船した汽船の名前はまだ明らかにできていない。
崔承喜一行がパナマに到着する直前、米国の興行会社メトロポリタンミュージカルビューロー(以下メトロポリタン)が無線電話で新しい米国巡回公演計画を提案し、崔承喜はこれを受け入れた。 崔承喜はパナマから下船、米国に戻る船に乗り換えてニューヨークに戻った。 これに対して1940年9月号「三千里」に載せられた寄稿文で崔承喜は次のように記述した。
「パナマに行く途中、ニューヨークのマネージャーから公演ができそうだという通知が来て、パナマからキューバ、フロリダを通ってニューヨークに来ました。 パナマで年に一度いるという闘牛を見て、キューバでルンバを見て、フロリダの美しい海岸を見たことが何よりいい思い出です」
崔承喜が再びニューヨークに到着したのは12月初めであり、メトロポリタンと契約を締結した後、一番先に日程が決まった<ホリデー舞踊祭>に参加した。 12月26日から31日までクリスマスと新年の間の休暇シーズンに開かれたこの舞踊祭で、崔承喜は28日夕方番組を担当した。
6日間、午前と午後、夕方のプログラムに分かれて12の公演で構成されたこの舞踊祭で、アメリカン·バレエ·キャラバン(The American Ballet Caravan)が7つ、マーサ·グラハム舞踊団(Martha Graham and Dance Group)が3つの公演を担当した。 崔承喜とカメリタ·マーラーチ(Carmelita Maracci、1908-1987)が1つずつ担当した。
リンカーン·カースティン(Lincoln Edward Kirstein, 1907-1996)が団長を務めるアメリカン·バレエ·キャラバンはニューヨークシティバレエ団の前身であり、マーサ·グラハム(Martha Graham, 1894-1991)は当代米国最高の舞踊家だった。 すなわち、崔承喜は米国最高水準の舞踊家たちと共に<ホリデー舞踊祭>に参加したのだ。 (jc, 2023/9/22)
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