崔承喜の東京デビュー公演1部の最後の作品は「希望を抱いて」だった。 プログラムにはこの作品が次のように簡略に述べられていた。
6. 希望を抱いて、サラサーテ曲、石井美恵子、崔承喜
二人舞『希望を抱いて』の創作時期は崔承喜の『私の自叙伝』(1936:126)に記されている。
「この間に最初に發表したものがサラサーテの「ロマンサ·アンダルーサ」に據つて作られたデニエツト「希望を抱いて」であり、次いで作られたのが朝鮮古曲によつて朝鮮固有の山育鍔廣帽を冠つて踊る「エへヤ·ノアラ」です。何れも石井先生の新作發表會で初めて發表して幸ひに好評を博しました。」
「この間」とは崔承喜が2回目に日本に渡った1933年3月からデビュー公演をすることになった1934年9月までを指す。 ところが、『エヘヤノアラ』が初演されたのが1933年5月20日、日本青年館で開かれた『近代女流舞踊大会』だったので、『希望を抱いて』が創作されたのは1933年3月3日から5月20日の間のことだ。 崔承喜は<近代女流舞踊大会>で<エヘヤノアラ>と共に<エレジー>を発表したので、3ヶ月にもならない時期に3つの作品を振り付けする旺盛な活動を見せたのだ。
朝鮮の女性雑誌『新女性』1934年5月号は「希望を抱いて」の初演が「1933年11月、東京で」と説明したが、実は1933年10月22日日比谷公会堂で開かれた「石井舞踊団公演」であった。 この公演で、石井漠の「燕尾服を着た東京」と石井英子の「スペイン夜曲」とともに、崔承喜の「希望を抱いて」が初演されたのだ。
ところが「新女性」はまた「希望を抱いて」が「1931年の作品」と叙述した。 崔承喜の京城時代に発表された作品リストを見てみたが、そこには「希望を抱いて」という演目がない。
1931年に発表された崔承喜の2人舞を選び出したところ、団成寺で開かれた3つの発表会で上演された2人舞は8つだった。 1月10-12日の<崔承喜第3回発表会>で発表された<浄土の舞姬(李玉熙、張桂星)>、<彼らのロマンス(崔承喜、李玉熙)>、<南洋の情景(崔承喜、金銀波)>;
5月1-3日の<第3回新作公演崔承喜舞踊会>で発表された<南洋の夜(崔承喜、張桂星)>と子供舞踊<これからこれから(李貞子、趙英淑)>、9月1-3日の<第4回新作舞踊発表会>で発表された<土人の哀史(金敏子、趙英淑)>と<鉄のような愛(崔承喜、金敏子)>、<異国の夜(李貞子、盧載信)>などだった。
この中で崔承喜が出演した2人舞は<彼らのロマンス>と<南洋の情景>、<南洋の夜>と<鉄のような愛>だったが、おそらく<南洋の夜(5月)>は<南洋の情景(1月)>の改作であり、<鉄のような愛(9月)>は<彼らのロマンス(1月)>の改作であると見られる。
1931年1月8日付<東亜日報(5面)>に載せられた<彼らのロマンス>の写真は崔承喜と李玉熙が貧しい恋人の愛を継続する姿を盛り込み、写真説明は「彼らのロマンスは悲しくて立派だ。 逆境でロマンスを作る者であっても力強く進もう」と述べた。
つまり、「彼らのロマンス(1931年1月)」は逆境においても希望を持って屈せず愛を続けるという内容だが、すぐに「鉄のような愛(1931年9月)」に改作·改名されたものと見られ、ついに「希望を抱いて(1934)」に再び改作されたものと推定される。
『希望を抱いて』の伴奏音楽はサラサーテ(Pablo de Sarasate、1844-1908)の『アンダルシアのロマンス(The Andalusian Romance)』だ。 サラサーテが1878年に作曲、1879年に出版されたこの作品はスペイン南部アンダルシア地方の民謡3つの主題を並べて配列したもので、ピアノとバイオリンで演奏され、速くて軽快なメリディが特徴であり、崔承喜が<希望を抱いて>のBGMとして使用したものと見られるが、演奏時間が5分を越えるため<希望を抱いて>はかなり長い作品だったと推定される。
崔承喜のデビュー公演では、ピアノは林利夫、バイオリンは折田泉(1909-1972)が演奏していた。 折田泉は崔承喜のデビュー公演に伴奏として参加していたところ、崔承喜の後輩石井みどり(1913-2008)と恋に落ち、翌年1935年に結婚した。 みどりと折田泉の間の娘、折田克子も舞踊家として活躍し、母親と一緒に<石井みどり舞踊研究所>を率いた。 (jc, 2024/8/22)
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